「売れ残り」貧困の子へ 「偏見助長も」現場危惧


http://mainichi.jp/articles/20160331/k00/00e/040/262000c



フードバンク活動を行うものとして、
抑えておきたいのは、
この取り組みの意義がどこにあるのかについてだ。



個人的にはコンビ二弁当やパンは、
在庫が不安定だし、賞味期限も短いため、
フードバンク(食料支援)に適していないと思うが、
条件付でやってみる価値はあると思っている。



この取り組みがただ単純に、今日の食事に事欠く
子どものために行う、対処的な意味合いのもののみであれば、
この取り組みには反対だ。そもそもその前に、
そういった子どもをどう支援していくのかの
視点がなく、その場しのぎになってしまうからだ。



この取り組みが、食事に事欠く子どもを把握するため、
そして、食料支援を通じて、家庭の状況を把握するツールとして活用しつつ、

目の前の食事に事欠く子どもの現実対応として、
食糧支援を行うのであれば賛成である。



理由は



①目の前の困っている人をほっとけない

どんなに理想
(行政が子どもの貧困支援に税金を投入すべきだ等の話)
を語ったところで、直ぐにやってくれるわけでもなく、
目の前にお腹を空かせている子どもがいるなら、
みんなと同じような食事を取らせたいから。


コンビニの廃棄品を食べさせるのは、尊厳の問題が
という、話については、廃棄の本来の時間よりも、
前に回収できるようにすればいいだけのことであり、
(認定NPO制度の活用や条例で、廃棄ではない食品の寄付には税制優遇)税制優遇などを

活用すれば、廃棄前に寄付しようと、食品会社も思うはずで、廃棄前提の話にするからややこしいわけだ。



②食糧支援を通じて、関係性構築は大事で有効だから。



生活困窮者自立支援法が始まって、
静岡県内の全ての市町に相談窓口ができた。
静岡市や富士市では、フードバンクを活用し
積極的に相談窓口が、
食料の心配をし、自宅まで食料を届け、
家の状況がどうなのかを把握するツールに食料を使っている。



手ぶらでいくと、嫌がられるのに、
食料を相談者の家に持っていくと喜ばれる。



相談者も、困った時に頼りになる支援員として、
相談窓口の人間に信頼をよせるケースもある。



新規相談件数 4月~12月まで
(静岡県資料)
1位 静岡市 1378件
2位 富士市  525件
3位 浜松市  313件



新規フードバンク利用頻度 4月~12月まで
(フードバンクふじのくにの独自集計)
1位 静岡市 約26%
2位 富士市 約17%

※ 浜松市 約4%



と、新規相談ケースが多いところは、
食料支援も多いことが分っている。



浜松市は相談件数自体が人口の割りに少ない為
食料支援自体が少ないのではないかと推測される。



食料支援の割合も子どもがいる世帯には
全体の2割近く提供している



コンビニの廃棄品を貧困世帯の子どもに提供するという
ニュースから、取り組みの意義により、
私の意見は変わるという趣旨の話をしたが、

この記事の中にある

偏見の助長や尊厳については、
手法が適切ではないだけであって、
けっして、食料支援(フードバンク活動)の全てが
困窮者支援に適していないわけではないということを付け加えたい。




フードバンク(食料)が来るのを
プレゼントが届くかのように、楽しみに待つ子どももいる。



この記事でコメントしている方々や、
フードバンク活動を深く知らない
専門家たちが、片側だけの視点で、
食料支援なんぞけしからん!というのだけは、
やめていただけたらと思う。



なぜなら、フードバンクに取り組む
全ての活動者は、食べものに困っている人に
食べものがしっかりと渡る社会を作りたくて、
一生懸命やっているからだ。



このことだけはしっかりと伝えたい。